伊坂幸太郎・原作の映画 「アヒルと鴨のコインロッカー」ネタバレ
伊坂幸太郎・原作の
★ 映画 「アヒルと鴨のコインロッカー」
<ネタバレご注意>
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伊坂作品の「重力ピエロ」、「ラッシュライフ」を観ましたので、
次は?と思い、「アヒルと鴨のコインロッカー」も借りてみました。
ボブ・ディランの「風に吹かれて」が多用されているものの、
キャスティングが良く、滲々(しみじみ)とした気持ちになりました。
それから、日本人のルーツがブータン人である
という学説も存在しています。
そんな知識も作用して、何か、心が通うのです。
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製作年: 2006年
原作: 伊坂幸太郎
・・・2003年11月、東京創元社ミステリ・フロンティア・刊、2006年12月、創元推理文庫・刊。
吉川英治新人文学賞、本屋大賞/ 第3位、「このミステリーがすごい!」国内編/ 第2位。
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【スタフ】
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脚本: 中村義洋 、鈴木謙一
監督: 中村義洋
音楽: 菊池幸夫
音楽プロデューサー: 佐々木次彦
主題歌: ボブ・ディラン「風に吹かれて」
撮影: 小松高志
美術: 林千奈
編集: 大畑英亮
録音: 高野泰雄
音響効果: 佐々木英世
照明: 松岡泰彦
制作: 曽根晋
プロデューサー: 宇田川寧、遠藤日登思
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【キャスト】
濱田岳 (椎名)
瑛太 (椎名の隣人)
関めぐみ (琴美)
田村圭生 (椎名の隣人)
関暁生 (江尻)
松田龍平 (河崎)
大塚寧々 (麗子)
キムラ緑子 (椎名の母)
なぎら健壱 (椎名の父)
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【あらすじ】 <ネタバレご注意>
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椎名(濱田岳)は、
仙台の青葉学院大学/法学部に合格し、
東京の靴の修理屋「靴のシイナ」を営む実家から、アパートに引っ越して来た。
左隣の青年に挨拶したが、
無愛想。もしかして外国人?
大好きなボブ・ディランの「風に吹かれて」を口ずさみながら、
梱包を解いて荷物を片付けていたところ、
右隣の部屋に住む長身の青年の方から、
河崎(瑛太)と自己紹介され声を掛けられる。
こちらは滅茶(メッチャ)、愛想がいい。
ディランの歌声に惹(ひ)かれからだと言う。
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そして、河崎によれば、
"隣" の "隣" に住むのは、
ブータン人の留学生、キンレィ・ドルジと言って、
一昨年の今頃、河崎の元カノだった琴美(関めぐみ)を失ってから、
引き籠(こも)った生活をしているそうだ。
成る程、やっぱり
---------ここから椎名の思い込みが始まる。
ドルジ(田村圭生)から日本語を教えて欲しいと頼まれ、
"アヒル" と "鴨" の違いを訊(き)かれていることだし、
分厚くて立派な辞書の "広辞苑" を手に入れ、
彼を慰めるため、
一緒に本屋を襲わないかと、いきなり突飛な犯罪を持ち掛けて来た。
飛躍過ぎる!!
椎名が断ると、
1人でも決行するので、気が変わったら付き合えと言う。
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しかし、決行の夜、そんな話に乗る気など無かった筈の椎名だったが、
吸い込まれたかのように
---------ここは不自然さが有るが、これが、地上から僅(わず)かに浮遊しているような「伊坂ワールド」が生み出す悪戯(イタズラ)なのだろう。
河崎に持たされたモデルガンを持って、
郊外のブックスなにわ塩釜店の裏口に、見張り役として立ってしまったのだ。
河崎は成功したものの、
何故、間違ったのか、
奪って来たのは、"広辞苑" ではなく、"広辞林" だった。
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強盗事件が明るみにならないのが不思議だったが、
河崎が2年前のことについて語り始める。
琴美は、ペットショップのアルバイト店員をしていて、
多発している野良の犬や猫の虐待・惨殺事件の、
現場に遭遇した。
ペット達を助けようと動いていた、
琴美はそれからは狙われ誘拐されて、
暴行を受ける寸でのところで、ドルジに救われたけれど、
遂に、犯人3人の車に撥(は)ねられて死亡したらしい。
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琴美が勤めていたペットショップ店長の麗子(大塚寧々)のことを、
河崎からは信用するなと言われている。
でも、皆が敬遠する外国人に、彼女は親切だ。
椎名は、話す機会を持ってしまう。
彼女は、自分は怒ったように話すから誤解されていると言いながら、
2年前の詳しい経緯を語り始める。
ペット襲撃犯を追っていた琴美とドルジの
助っ人として、撃退した。
しかし、その後、琴美が犯人達から追われ、轢(ひ)き殺されてしまい、
犯人の車は、犯行直後に表通りまで暴走して、トラックに衝突し大破、
共犯の男女2人が死亡したが、主犯の男は生き残った上、
未だ処罰されてはいない。
ドルジと河崎の2人は復讐を誓っていたが、
残念なことに、
河崎もまた、その後、エイズが発症して病死してしまったと言うのだ。
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河崎を名乗る男がドルジ(瑛太)だという驚愕(きょうがく)の真実を知り、
椎名は唖然(あぜん)とする。
成り済ましているのを隠したいため、麗子から遠ざけようとしたのだろうか。
ドルジは、信心深い仏教国のブータンで育ったため、
暴力や殺生はできないでいた(※)。
(※) 輪廻転生(りんねてんしょう)
http://mandalaya.com/rinne.html をご参照下さい。
・・・「因果応報」(いんがおうほう)とともに仏教の理念。ブータンやチベットに限らず、中国・朝鮮・日本も同じく、インドからヒマラヤを越えて伝わった大乗仏教であり、違いが有るとすれば、各国の現代人が信心深いかどうかである。
しかし、琴美も本当の河崎(松田龍平)も逝(い)ってしまった今、
椎名が歌うディランの、"神様に見ない振りをしてもらおうよ" を耳にした時、
ドルジは、信条に封印(ふういん)をして復讐を決意した。
かつ、外国人からの誘いでは受け入れられないに違いないと、
河崎に成り済まし、椎名を仲間に引き入れたのだ。
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そして、犯人達の生き残った主犯とは、
件(くだん)の本屋の息子・江尻(関暁夫)だという真相も知ることとなる。
江尻は麻薬をやりながら動物の虐待を続けていた。
それで、本を奪われても警察に届けなかった。
ドルジは、江尻を拉致(らち)し、仏教の"鳥葬"(※)にしようとしていたのだ。
(※) 鳥葬
・・・インド・ブータン・チベット等では現存している地域は多い。中国・朝鮮・日本でも昔、存在した所もあったが、近代以降、刑法で罰せられる。但し、火葬には自治体の証明が必要。
それから、左隣の外国人らしき青年は、
コテコテに訛(なま)る山形県人。
恥ずかしいから、つい、寡黙(かもく)になっていると言う。
"隣"の"隣"とは、
ドルジから見た隣は椎名で、その隣とはドルジ本人のことを指していた。
錯覚させるように表現できるように上達した日本語力。
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全てを知った椎名だが、
そこに、胃癌を患(わずら)う父(なぎら健壱)が危篤状態との知らせを受ける。
母(キムラ緑子)から懇願されるように、東京に帰って、靴屋を継ごうと思う。
麗子とドルジは、
退学を決心して帰郷する椎名を仙台駅まで見送る。
麗子から自首を勧められたドルジは、微(かす)かに笑う。
そして椎名は、自分のラジカセに「風に吹かれて」を流し続け、
駅のコインロッカーに閉じ込めたままで、仙台を去ると言う。
ドルジは、外来種のアヒル、椎名は古来種の鴨。
2人は異種同類。
禁(戒律)を破ってしまったことを封印し、
永遠の朋友のままで、共に生き続けよう。



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